メッキを行う前の酸処理について

酸処理とは、金属表面の酸化膜を取り除いて生肌を出すことにより、メッキ金属を受け入れるようにすることをいいます。金属の表面には大気中の酸素と反応して必ず酸化物層が形成されることになり、それぞれの金属にあわせた酸処理を行う必要があります。

 

というのは、金属の表面上にはそれぞれの性質に伴う参加皮膜が形成されているので、効果的な酸処理を行うためには、それぞれの金属に生成される酸化皮膜の性質を十分理解し、その金属ごとに合わせた酸処理が必要となるのです。

 

酸処理としては酸洗い、酸電解処理、酸浸漬処理があります。酸洗いは鉄鋼材料表面にできた薄い錆やスケールの除去工程であり、一般的に塩酸が使われます。これは塩酸の塩化物イオンの活性化力が高いことによります。

 

酸電解処理は、品物を酸の中で電解し、強固に付着している酸化膜を剥ぎ取る処理で、通常は10%硫酸溶液で行います。酸浸漬処理は、酸洗い後の品物の表面に付着しているごく薄い酸化膜などを取るのに使われます。

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